お肉料理を作るとき、「せっかく作ったのに固くなっちゃった…」という経験、ありませんか?
じつはそれ、ちょっとした知識と工夫で簡単に解決できるんです!
この記事では、「肉が固くなる原因」と「それを防ぐ具体的な方法」を、物理的アプローチと化学的アプローチの2つの視点からわかりやすく解説します。
普段の料理にすぐ使える食材や調味料の例も紹介しているので、今日からすぐに試せます!

この記事はこんな人におすすめ!
- せっかくのお肉料理が固くなった経験がある
- 家にある調味料でお肉を柔らかくしたい
- お肉ってどうして固くなるの?が知りたい
肉が固くなるのはなぜ?
肉が固くなる主な原因は、「タンパク質の変性」と「水分が抜けること」です。
加熱により肉のタンパク質が固くなったり、肉から水分が逃げたりすることで、あの“料理したらお肉が固くなってしまった、、”という現象が生じます。
でも安心してください。
正しいアプローチをとれば、家庭でも驚くほど柔らかく仕上げられます!
アプローチ①:繊維構造の破壊【物理的アプローチ】
まずはシンプルに「肉の繊維を断ち切る」方法です。
肉を加熱すると、内部のタンパク質が変性して縮みます。それによって固く感じられるため、この手法により肉の縮みを防ぐことができます。
✅ 具体的な方法例
- ミートハンマーで肉を叩く
- 包丁で格子状に切り込みを入れる
- 肉の繊維方向と垂直にカットする(繊維を断ち切る)
- 薄切りにする
アプローチ②:タンパク質の分解【化学的アプローチ①】
次は、酵素のチカラで、タンパク質を“分解”して柔らかくする方法です。
肉のタンパク質は加熱すると固くなる性質があります。
そこで、「プロテアーゼ」という酵素を用い、固くなる原因となる肉のタンパク質を分解し機能しないようにする手法です。
固くなる原因となる肉のタンパク質を、プロテアーゼ(分解酵素)でゆるませます。
✅ 具体的な食材・調味料
- すりおろし玉ねぎ
- パイナップル、キウイ、りんご(果物に含まれる酵素)
- 舞茸
- はちみつ
- ヨーグルト
- 味噌
- 塩麹
これらの食材・調味料につけ込んだ後に調理を行うことで、柔らかい食感の肉料理が出来上がります。
食材・調味料の味が料理にも影響するので、作りたいものごとに使い分けてみてください!
アプローチ③:浸透圧の利用【化学的アプローチ②】
浸透圧を利用し、水分保持力を高めるテクニックです。
浸透圧とは、濃度の異なる液体が均一になろうとする力のことです。この仕組みを活かし、肉の中に水分や調味料をしっかり入れ込むことで、加熱してもジューシーなままに仕上がります。
✅ 方法例
- 「ブライン液」に漬ける
ブライン液とは、水:砂糖:塩=100:5:5にした溶液のことです。この濃度に調整した水溶液に肉を漬け込むことで、水分を保った柔らかいお肉になります。
つけ込み時間にも注意が必要です。サイズによって時間を調節する必要があります。
- 魚や一口大の肉:1〜2時間
- 豚や牛のスライス:3時間程度
- 肉の塊:1〜2日
漬け込み時間が短いとブライン液の効果が得られず、長すぎると塩の影響で辛く感じられることもあります。適切な時間漬け込むことを意識しましょう。
アプローチ④:pHの調整【化学的アプローチ③】
肉のpHを調整する方法です。
pHとは、液体が酸性・中性・アルカリ性のどの状態であるかを0から14の段階によって示す指標であり、高いほどアルカリ性、低いほど酸性を示します。
肉のpHは約5であり、このpHは「肉が最も固くなり、水分を保持しにくい」状態なのです。
そこで、pHの値を酸性もしくはアルカリ性にずらすことで、水分を保持しやすい状態にし柔らかく仕上げることができます。
✅ pHを調整する食材・飲料
酸性にずらす
- ヨーグルト
- レモン汁
- 酢
- ワイン
- 炭酸水
- コーラ
アルカリ性にずらす
- 重曹(水250ccに小さじ1杯程度)
漬け込み時間は30分〜2時間ほどが目安。酸味が強いものは、味が付きすぎないよう注意してください。
まとめ|肉が固くならない仕組みを知って、料理上手に!
柔らかくてジューシーなお肉料理は、ちょっとした知識と工夫で誰でも実現できます。
物理的アプローチと化学的アプローチを理解して、目的に合った方法を選ぶだけ!
「次こそは失敗したくない!」という方は、ぜひ今回紹介した方法を実践してみてください。
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